これは幼稚園の登園の音楽だった。毎朝聞いていたわけだ。
大体そういうシチュエーションだとその曲は嫌いになるものだが、これは曲が勝った。
1.ドミナントのソの音が常にメロディの基調になっている。これがペダル的効果となり、未解決感を生み、これから歩むであろう人生を予感させた。
2.リズムは軽快な2つわり2ビート。特にAメロ頭のソファ#ソファ#ソファ#というくだりでこの曲のスピード感が決まる。なんとも浮き足だつリズムである。編み上げワンピースにハンカチーフの乙女と半ズボンの男達が踊る図が見える。(この頃の海外のイメージはすべて「兼高かおる 世界の旅」提供日本航空とシネラマ)このリズムがなんとも水車の忙しい感じをよく表しており、きょうも一日イソガシイジョー、と幼稚園児の朝の焦燥感をあおっていたのだろう。「こんな感じで大人になるのかなあ」、なんていう気持ちを抱かせた。
3.サビ前に C−B♭−A−A♭と下がるセントトーマス進行がある。ここだけクラシックっぽくなくて好き。
4.エンディングのテンポがはやまってストリングスがかけあがるところで園児からキャ〜の声が出る。それほど官能的。ここだけがクラシックオーケストラ的アレンジ。
5.基本的にこの曲はドイツの曲でありながら、ハリウッド・ウエスタンに代表されるフィドルのインターバルを意識したメロディを持っている。このソファ♯ソファ♯ソファ♯ソファ♯ソミレドシッシッの後のシレラッラッラレソーという跳躍が躍動するバイオリンの弓をイメージさせる。このインターバルが以後40年にわたってなぜか好き。
http://www.pub.ube-c.ac.jp/jukunen/juku0101/instrumental/suisha.htm
ここへ行くと聴けます。