これも「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」ということで詞のコンセプトは同じ。よっぽど小さいころから人生悲しかったんだね。しかしこの曲はまたしてもなんといっても富田勲氏のコード進行が超絶。
C Bb C Bbといきなり完全2度のミクソリディアンスケール。「なーみをチャプチャプチャプチャプかきわけて、す〜いす〜いす〜い」いかにも邪魔はさせない、突き進むという強さを感じる。リズムは「ツクパッ ツクポコ」のラテン初体験だ。しかし、未体験ゾーンはさらに続く。
次は F Cm の繰り返しだ。これがまた魅惑的。エキゾチック。アントニオカルロスジョビンの「ストーンフラワー」とか、ハリウッド、シンドバッドものなんかの映画音楽にもたまに出てくる。マーチンデニー的インチキ東洋のムードもある。歌詞は「ひょうたん島はどこへ行く、ぼくらを乗せてどこへ行く」という、まさしくその不安感とエキゾチックな冒険ムードと合致している。そしてFからEb、D7へと降りる。この辺の転調プロセスは幼少の耳には、「本当にどこへ行っちゃうんだろう」という不安を感じさせた。
次は Gm7 C7の繰り返し。この時は初体験だが、「マイスイートロード」「オエ・コモ・バ」「イッツ・トゥー・レイト」で存分に追体験するコード進行だ。「まるい地球の水平線に 何かがきっと待っている。苦しいこともあるだろさ、悲しいこともあるだろさ、だけど僕らはくじけないー」この辺のコード進行はグリーンドルフィンストリートのようにめまぐるしく展開し、「泣くのはいやだ、わらっちゃおう」はいきなり転調キーのメージャー系ドミナントに置き換えられ、めいっぱい不安感を煽っておいて、一気に「すすめ〜」と元気いっぱいに気を取り直す。コード進行の細部は省略するが、大変奥深い進行になっていて、歌詞とのマッチングも、聞き手の感情操作も実に巧みなものになっている。
一生忘れられない曲だ。