Abbey Road side B Beatles (1969)


Jacket IMGビートルズも3枚目となると、書く事もなくなりますわ。まとめておけばよかった。

でもアビーロード、いいでしょう。その一言に尽きる。カラオケ・メーカーも、変なメドレー企画するより、アビーロードB面まるまる、というシリーズを作りなさい。行くから。

アビーロードは事実上、ビートルズの最後の録音である。もちろん、メンバーの心はバラバラだが、アルバムの内容は熟成されている。メロディもコンセプトも行きつくところまで行っているし、再三指摘したコード進行の独創性も、ここに極まっている。maj7、m7、aug、dim、b9、b13、+9とコードシンボル自体もかなり多岐に渡っているが、特筆すべきはその使い方流れ方である。そのコードの持つ響きを最大限曲の中で活かしたり、きわめて印象的なメロディの中で、さりげなく、経過的に使ったり、その使い方はまさしく巨匠のそれである。もちろん、ダイアトニックなシンプルなコード進行も効果的に使われる。その使い分けは心憎いほどで、ほとんど聴いている者に意識をさせない。特にB面は、それらの熟成されたテクニックが次から次へと配置され、何度聴いても飽きない上に、何年たっても古さを感じさせない。

B面といえば、Here Comes The Sun、Becauseとくるわけだが、この2曲も名曲であることに変わりはないが、やはり、ここでランキングした理由は次から始まるメドレー。ラバーソウル時代のラブソングを思わせる出だしから始まり、めまぐるしく3部構成からなるYou Never Give Me Your Money、場面は変わって虫が泣き、蛙ががあがあ夜の沼で太陽神を称える神秘的なSun King、リンゴのタイコリフが入ってMean Mr. Mustard、後半3拍子になったらギターがシンプルな3コードをかき鳴らしてPolythene Pam、短いギターソロを経て、She Came In Through The Bathroom Window、ヘルプの頃のようなエレキギターのアルペジオが懐かしい。静かになってGolden Slumbers、この曲を聴くと、中学の裏にあった林で放課後ウダウダしていた時を思い出す。そしてCarry That Weight、The End、Her Majestyとメドレーは終わるわけだが、息をもつかせぬその展開は、とてもビートルズ最後の録音とは思えない。

しかし、有名な話だが、ビートルズのレコードでアビー・ロードだけが、ビルボード1位を取れなかった。これほどの名盤がなぜだ。その時の1位だったのは何なんだ。しかし、それを聞くと震えがくる。「クリムゾン・キングの宮殿/キング・クリムゾン」。その名を聞けば、すべての動物が巣に逃げ帰る程の超名盤だ。(これは私のベスト50には入れなかった。なぜだ。かくれプログレファンなのだ。21世紀は、高校の時目黒公会堂でやった。)しかし、ビートルズの一連の音楽的功績があって、キング・クリムゾンはじめ、様々なロックの進化があったわけだから、ラスト・アルバムで後進に道を譲るというのは一種美しい引き際かもしれない。

ビートルズを本格的に聞き始めたのは中学1年生からだが、同時に聞き始めた仲間がいた。O君というが、非常にユニークな感性の持ち主だった。不条理と諧謔を弄することが信条で、様々なテーゼを耐えず打ち出し、自己表現をしていた。高校以降は疎遠だったが、大学4年の時に、居酒屋でバッタリあった。「やあ、久しぶり」と声をかけようとして近づいたが、それより早く「今日、ジョンが死んだぞ。」と彼が切り出した。何を言っているのか一瞬わからなかったが、すぐ飲み屋を出て、何年振りかで彼の家へ行き、言葉少なだったが、飲みながら「MEET THE BEATLES」から「ABBEY ROAD」まで順を追って朝まで聴き倒した。


<ベスト50に戻る>  次へ  前へ